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サリーちゃん

昔、サリーちゃんという雑種のワンコがいました。小学六年生の春に団地から一軒家に引っ越し、転校した女の子は、犬を飼いたいとお母さんに言いました。するとほどなくして、お母さんがある人から雑種のサリーちゃんをもらってきました。女の子はそれはそれは嬉しくて、サリーちゃんをとても可愛がりました。その頃は今と違い、大型犬や中型犬は家の中ではなく外で飼うのが当たり前で、サリーちゃんも玄関前に犬小屋を買ってもらい、そこで生活することになりました。しかし、女の子が学校から帰ると、玄関に入れてもらえたので、サリーちゃんは女の子が帰ってくるのを楽しみにしていました。サリーちゃんは雷が大好きでした。なぜなら女の子は、雷が大嫌いなので雷が鳴ると玄関先に入れてもらえて、女の子のそばにいることができたからです。雷が鳴っている間女の子はサリーちゃんを抱きながら、泣いていました。それは女の子が中学生になっても高校生になっても続きました。

女の子は、高校生になるとお友達といる時間が長くなり、あんまり一緒にいてくれなくなりました。お散歩も近所のおばさんと行くことが多くなりました。それでも犬小屋の中のタオルを交換してくれたり、夏の夜は犬小屋に蚊が入ってくるので、線香を焚いてくれたりと、きちんと世話はしてくれていました。でも、本当はもっと遊びたかったんです。だから時々遊びに来る女の子のお友達に噛み付いたこともあります。

女の子が高校を卒業してすぐに、サリーちゃんは天国に旅立ちました。女の子はもっと遊んであげればよかったと泣いてくれました。そうだ、どうしてもっと遊んでくれなかったんだと、サリーちゃんは女の子を恨みました。

 

二十数年が過ぎサリーちゃんは、今度は男の子に生まれ変わりました。そしてペットショップにワンコを見にきた女の子と再会しました。女の子はおばさんになってました。「やっと会えたね。サリーちゃんやで。」と、おばさんになった女の子をじっと見つめました。目が合いました。女の子はサリーちゃんを抱っこしました。「この子、ください。」女の子が店員さんに言いました。サリーちゃんは、「やったー!また一緒に暮らせる。今度はいっぱい遊んでね。」と女の子に言いましたが、女の子は気づいていないようです。

サリーちゃんは、翔と名付けられました。今度は家の中では飼ってもらえます。愛情たっぷり注いでもらっています。お仕事に行く時間はお留守番ですが、お友達よりもサリーちゃん(今は翔)を優先してくれます。

 

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休みの日は、紅葉も見に連れて行ってくれます。

 

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寝るときも女の子と一緒。女の子は時々、「翔はサリーちゃんの生まれ変わりか?長生きするんやで。」と言います。生まれ変わりって気づいてくれたのかな?

翔に生まれ変わったサリーちゃんは、多分、今は幸せです。だから女の子のために、長生きしてあげたいと思っています。